Milky Way
Statment
「Milky Way」は、夜桜と宇宙との関係性に焦点を当てた作品です。
写真を何十枚も組み合わせるフォトモンタージュの技法と、油絵の塗り重ねては削っていく技法を組み合わせて制作されています。
桜は、美しさや短命さ、移ろいや儚さを象徴し、人生や自然の営みを表しています。
同時に、宇宙は私たちが知っている範囲を超えた広大で神秘的な存在であり、私たちの生命や地球とのつながりを表しています。
それらの対比によって、私たちが日々生きる中で感じるさまざまな感情を表現しています。
作品全体には、夜空に輝く星々が宇宙空間を象徴し、桜の花はその空間に対して、地上から生まれる一瞬の美しさを表します。
桜の花が散る瞬間には、美しさと同時に切なさや哀しみを感じることもありますが、
それは人生と同じように短い時間の中で輝く喜びや美しさを感じることができるからこそ生まれる感情でもあるのです。
Kiiro
Milky Way
Kiiro Works 2019
Award
2019 Annual Photography Awards Competition
Honorable Mention / Fine Art / Single
Exhibition
2019 EMON PHOTO GALLERY (日本)
Statment
- 朝露の桜の風景は遠い幼いころの夢と混じり合い、それはまるで天の川のように思えた。 -
私は長い間、コスモスの花に着目して創作活動を してきました。
夏の終わりごろから群生をなして咲 くこの花は、可憐でありながらどこか懐かしさを想 い起こさせます。 複雑に差し交わす茎や蕾み。それはコスモスの 原義である秩序・調和・美といった宇宙的な広 がりを感じさせる一方で、限りある命の無常観を この花に感じています。
コスモスの別名は秋桜。そして私は日本の象徴 とも言える「桜」へと対象を広げていったことは必 然だったかもしれません。隆起した桜の幹が天 に昇る龍のように見えることもあれば、枝の狭間 でこぼれるように咲く姿や散っていく様子は、静と動が瞬くような宇宙のように感じられます。
私は撮りためた写真を何層ものレイヤーに分解 し、塗り重ねては削るといった絵画の技法を用い ます。無数の写真の「断片」を重ね、時間をトレー スし、コスモスの、また桜の花が秘める美しさに 私は接近しようと試みます。 しかしそれは、鑑賞者のイマジネーションが百人 百通りのストーリーが生まれる能のように、言葉で は表しきれないものでもあるのです。
Kiiro
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